大英自然史博物館展

大英自然史博物館展

見どころ6

博物館の歴史に名を刻んだ人々

ここで紹介するのは、大英自然史博物館の設立や、その後の発展に大きな影響を与えた人たちです。
ハンス・スローン卿はコレクションの基礎を作り、リチャード・オーウェンは政府に働きかけて
自然史部門を単独の博物館として設置しました。メアリー・アニングはアマチュアの化石採集者として、
博物館に貴重なコレクションを提供しています。

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ハンス・スローン卿(1660-1753)

8万点のコレクションを国に託した医師

ハンス・スローン卿は17世紀から18世紀のロンドンで上流階級を対象とした医者で、イギリス科学界の中心人物でしたが、彼が名を残したのはそのプライベートのコレクションゆえでした。彼が92才で亡くなるまでに集めた膨大な数の動物や植物、考古遺物、コインや本などは、非常に重要であると考えられていたので、政府によって買い取られ、それは大英博物館収蔵品の基礎をなし、後に大英自然史博物館に引き継がれました。

31.5カラットの青

31.5カラットのこのサファイアは、大英博物館の元となったハンス・スローン卿のコレクションの中でも最も印象的な宝石のひとつで、スローン卿をして、もっとも美しく深い色合いを持っていると言わしめました。旧式のローズカットで仕上げられ、色合いがもっとも映えるよう角度が調整されただけでなく、豪華に切り分けられた鉱物のベースにエメラルドとルビーとともに飾りつけられています。

リチャード・オーウェン(1804-1892)

比較解剖学者にして、「恐竜」の概念を生んだ初代館長

19世紀を代表する解剖学者の1人であるリチャード・オーウェンは、増加し続ける大英博物館の自然史コレクションを収容するために、独立した博物館を建設するよう政府に働きかけました。現在ロンドンのサウスケンジントンにある大英自然史博物館の設立にはオーウェンの存在に負うところが多く、彼は初代館長となりました。
 オーウェンは、Dinosauriaという分類群名の名づけ親としても知られています。イグアノドン、メガロサウルスなど、それまでに別々に報告されてきた大型爬虫類化石を1つのグループだと認識し、1842年にDinosauriaという名前を提唱しました。これは現在も使われ続けています。

メアリー・アニング(1799-1847)

伝説の女性化石ハンター

メアリー・アニングは、化石を発見し、販売することで生計を立てた女性です。彼女はイギリス・ドーセット州に住み、ブルーライアスと呼ばれる崖などから重要な化石を数多く発見しました。イギリスで最初の首長竜、最初の完全な翼竜、そして最初の魚竜を発見したのも彼女です。この絵では、忠犬トレイと一緒に立っているところが描かれています。背景の崖はドーセット州のゴールデンキャップです。

海に宿った大型肉食「魚竜」

イギリス初となる魚竜化石を兄のジョセフと見つけた1811年、メアリー・アニングはまだ12歳でした。この標本は後に彼女が発見した別種の魚竜の若齢個体です。魚竜は約2億4800万年前から9350万年前に生息した、海にすむ大型肉食爬虫類で、現代のイルカのような流線形の体を持ち、卵胎生でした。