大英自然史博物館展

大英自然史博物館展

見どころ04

嘘と呪いとミステリー

大英博物館の一部門として出発し、250年以上の歴史を持つ大英自然史博物館の標本の中には、驚く
べきエピソードを持つものもあります。そんな標本の存在もまた、この博物館の持つ長い歴史を物語っています。

SCROLL

ダチョウの卵

アラビアのロレンスに渡された卵

このダチョウの卵はイギリスの探検家チャールズ・ドーシーによって、アラビアのロレンスに与えられたと記録されています。しかしこの記録は、数多くの標本の出所を偽って記載したことで知られる鳥類学者リチャード・マイネッツヘーゲンによって記載されました。最近の公文書の研究で、ドーシーがロレンスにダチョウの卵を送ったということは明らかになりましたが、それがこの卵であるかどうかはわかっていません。

呪われたアメジスト

呪いの石は戻ってくる?

所有者に多くの不幸をもたらしたとされるこの標本は、「これは呪われており、血と、かつての所有者たちの不名誉で染まっている」という手紙とともに大英自然史博物館に届けられました。最後の所有者であったエドワード・アレンは、運命から逃れるため、運河に標本を投げ入れましたが、発見され彼の元に戻されたという逸話があります。

ピルトダウン人の頭骨片と下顎骨

人類史を揺るがした大ねつ造

この頭骨片と下顎骨は、科学史上で最も悪名の高い贋作事件であるピルトダウン人に関するものです。1912年の発見当時、それがヒトと類人猿をつなぐミッシングリンク(失われた環)であり、ヒトは類人猿から進化したと宣言されることになりました。1950年代になって、大英自然史博物館でピルトダウン人の新たな研究が行われて、頭骨は現代人のもの、下顎骨は現生のオランウータンのものであることが明らかとなり偽物であることがわかりました。これらはピルトダウンの発掘現場に埋められる前に、古く見せかけるために着色され、また加工もされていました。
 最近行われた高精度の計測と化学分析および3Dイメージングによって、この悪名高い贋作の背後にいる犯人が、ピルトダウン人の発見者であるアマチュアの考古学者、チャールズ・ドーソンであることがほぼ確定的になりました。